1:1 concerts Soloを終えて

12月11日㈯1:1 concerts in ゲーテインスティテュート東京に出演しました。

↑↑↑会場となった、ドイツ語学学校のゲーテインスティテュート東京

とても意義のあるコンセプトで、「奏者一人 対 聴き手一人」という特別な時間を、3人の聴き手の方々と共有することができました。

↑↑↑当に、1:1。ピアノは舞台のスクリーンに向かって角度を付けて配置。素敵な光で囲われています。

こういった世の中だからこそ、文化芸術の意義を問うような、貴重な時間でした。なかなか日本では理解されにくいコンセプトかもしれませんが、ドイツをはじめ、ヨーロッパ、アメリカでは各所で行われているようです。日本では東京と関西で行われているようです。

個人的には復帰後、初めての無観客演奏ではなく、人前でソロの演奏となりました。

緊張というよりも、その時にできる限りの音楽をやり遂げるということが、私の意気込みでした。「演奏をする」ということだけではなくて、一人で移動して、会場入りし、今回はゲネプロというより、少しだけピアノを確認程度に触らせてもらうようなリハをして、会場の状況、1to1 concertsのシステムや流れを把握し、間もなく本番という、全ての一連の流れをこなしていくことすらも、一つずつクリアしてくような意気込みです。笑。

全ての流れに、自分自身、切り替えをしながら、最後は演奏に集中をするところに持っていくということを、呼び起こすように、一日を過ごすということが、私にとってイチイチ大切なことなのです。笑われてしまうようなことなのですが、そんな一生懸命な自分も悪くないです。

最初の初対面のお客様が10分弾き終えた時に、涙していらした姿を見て、私も感情が湧いてきて、もらい泣きしそうになりましたが、まだ、後2名の方が残っていますから、グッと堪えながら、ポロリと一粒落ちてしまいました。

演奏家は聴衆にどれほどのエネルギーをもらっているのか、1対1というのは、あまりに直球であり、近頃もっぱら感情敏感症な私にはパワーが強すぎちゃいました。笑。恩師が「例え、お客さんが、たった1人でも、1,000人でも、私達は何も変わらず、最大限の音楽をするべきだ。」と仰っていた言葉を思い出しました。

今回は、表現者として初心に返るような、「人に伝える」ということを確かに持てる時間でした。

他3名の素敵な演奏家のヴィオラ奏者の若松美緒さん、クラリネット奏者の岩瀬龍太さん、ヴァイオリン奏者の竹原奈津さん、ゲーテインスティテュートのスタッフの方々、調律師さん、皆様、本当に大変な運営の中、心より感謝申し上げます。思わぬ素敵な出会いもあり、涙しちゃうようなエピソードもありました。やはり、演奏活動に復帰して非常に強く思うのは、主催者、運営スタッフの皆々様のご尽力あってこそだと、感じずにはいられません。だからこそ、私達演奏家は、できる限りの音楽をすることに努めていかなくてはと、思いました。

一歩一歩、前進あるのみですね。ゆっくりと、確かに・・・。

皆様に、今があることに、感謝と愛を込めて♡♡♡

2021.12.15. 稲岡千架

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