復活へのリハビリ②基礎編(下半身を中心に)

入院から一か月経過した頃、寛解導入治療の終盤からリハビリを始めました。2回の一時退院と、本退院ではリハビリの成果を得ることができました。改善することもできました。治療中は全く動けない時期や生死を彷徨う時期もあります。その中で、私が取り組めたことを記していきます。

私はクリーンルーム4人部屋でしか、過ごしたことはありません。リハビリも基本的には病室内で可能な範囲です。数回だけ血球が上がっている時に、リハビリ室へ行き機材を使ってトレーニングができました。下の写真は、ほんの4日程だけ利用できたリハビリ室。

リハビリ室でトレーニングできた貴重な日の写真です。これは、キツかった!!でも、鳥の声を聞きながらのトレーニングは最高だった!!血球は上がっていましたが、肺や気管支に炎症があり一時退院ができない時期。9月上旬でした。リハビリ室への移動は車いすで補助さんに連れて行ってもらいます。

患者の意志や主治医の方針によって、リハビリをされる方と、されない方がいます。高熱時、寝たきり状態(寝返り不可、全身痛、トイレもシャワー不可な状態。検査による要安静。)、吐き気、全身発疹、貧血(転倒による出血リスクのため)等々、過酷な状況下は全くリハビリはできませんでした。結果的には入院中、4分の1もリハビリは、できていないと思います。ですが、リハビリができる日は嬉しくて、リハビリの後は気持ちがスッキリしました。私は何もしない不安が一番怖かったのだと思います。ただ体を起こして座るだけでも、うがいをするだけでも、精一杯な日もあります。それも、闘病者にとっては、十分なリハビリなのです。体調が良い時は、他の方と比べて少しハードなリハビリを取り入れていたので、汗をかくこともできました。私にとっては、体を動かせることは精神的にポジティブになれる時間でした。勿論、気持ちはリハビリをしたくても、体が無理だという日も多くありました。リハビリの先生方も血液データなどを見ながら、日々探ってくださっていました。様子を見に来てくださって、帰って行かれることもありました。

私は主治医に「楽器を弾くために身体作り、体幹を作り、肩甲骨の稼働をよくすることをトレーニングしたい。手は様子を見ながら、話し合いながら進めたい。」と訴えました。

先ず、理学療法士の先生2人によって、下半身を中心とした体全体を動かすことからです。大きな筋肉や体幹を作っていきます。ずっと体を動かしていなかった後は、寝たままで、足の指から股関節、体全体をほぐす作業をしてくださいます。次に動かす作業に入っていきます。カテーテルなど線が沢山繋がれているため、うつ伏せでのトレーニングはあまりできませんでした。寝たきりの時期には、足首を動かす、足を上げ下ろし、片足を上げた状態から横に倒す。膝を立ててキープし、そのまま尻を持ち上げる。寝たまま足踏み、横向きに寝て足上げ、などをしていました。足は一気に筋肉がなくなり、やせ細っていきます。起き上がってトレーニングできる時には、足踏み、病室内を歩く、両足スクワット、片足スクワット、腿上げ、バランスをとるために、片足立ちをして先生に身体を押されても倒れないようキープする、爪先立ち、バレリーナのように、片足立ちをして足を前後横に広げる。時には点滴棒を支えに抗がん剤や抗生剤を打ちながら、シュールな絵図ですがトレーニングです。笑。かなり状態の良い時には腰をグッと下げて両足ジャンプ!などもしました。ジャンプをした日は嬉しいのと可笑しいのとで、たまらなくなりました。廊下を歩いていい許可が出た日には、ナースステーションの周りを足早で、手をグー・パーと動かしながら朝・夕2セット歩いていました。手を動かしながらは、私のオリジナルメニューです。

これらをしていたお蔭で、一時退院中、本退院後も、階段や歩行で足が筋肉痛になったことは、一度もありませんでした。ですが、残念ながら息切れは体力の衰えや、私の場合は肺や気管支の炎症があったため生じます。息切れと心臓がバクバク音を立てるのは、本退院2カ月後くらいまでは、続いていました。おそらく、両足スクワットまで、頑張ってできれば、筋肉痛にはならないかと思います。多くの患者さんが仰っていたのは、階段で筋肉痛になるとのことでした。私が筋肉痛になったのは、右足脹脛がピアノを弾く時のペダリングによって、筋肉痛になりました。それによって爪先立ちをキープするトレーニングを加えました。結果、次の退院時には脹脛の筋肉痛は生じませんでした。常に退院時にどうだったかを先生方と話し合い、どのような事を補ってトレーニングすべきかを話し合いました。

下半身を中心に見ていくうちに、自分の支えにしている足は左だと認識が持てました。立ち上がる時にも左足で私は踏ん張っています。右足だと最初はフラついていました。勿論、バランスよく身体を使えるように右足だけで立つこともトレーニングに追加されました。確かに、ピアノを弾く時に、私は左足の位置が大切だと思っています。勿論、両足ペダルを操作しますが、体を大きく使う時など、左足と腰の安定でバランスを取っています。下半身をしっかりさせること、体幹があることによって、演奏するときに音が安定します。要は腕のパフォーマンスが良くなるということです。

下半身を中心としたことは大体、上記のトレーニングです。私のトレーニングは少しハードなメニューかとは思います。ゴルファーやバレリーナ、水泳選手が取り組んだメニューが入っています。ややアスリート向け。因みに、私は本来、ストレッチや運動は出来れば避けたいと思う、3日坊主のダメダメな奴です。今回の病気によって、今は身体作りに勤しんでいます。人間、変わるものですね。笑。

次回は上半身を中心にインナーマッスル、肩甲骨、腕、手という取り組んだことを記していきたいと思います。そして、3回に分けてブログをと書いていましたが、全4回になりそうです。4回目に「音楽をすること」を記していきたいと思います。

書き進めるうちに、多くを学ばせていただいたと、つくづく実感しています。先生方には感謝です!

では、後2回続きます!

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