復活へのリハビリ②基礎編(下半身を中心に)
入院から一か月経過した頃、寛解導入治療の終盤からリハビリを始めました。2回の一時退院と、本退院ではリハビリの成果を得ることができました。改善することもできました。治療中は全く動けない時期や生死を彷徨う時期もあります。その中で、私が取り組めたことを記していきます。
私はクリーンルーム4人部屋でしか、過ごしたことはありません。リハビリも基本的には病室内で可能な範囲です。数回だけ血球が上がっている時に、リハビリ室へ行き機材を使ってトレーニングができました。下の写真は、ほんの4日程だけ利用できたリハビリ室。
患者の意志や主治医の方針によって、リハビリをされる方と、されない方がいます。高熱時、寝たきり状態(寝返り不可、全身痛、トイレもシャワー不可な状態。検査による要安静。)、吐き気、全身発疹、貧血(転倒による出血リスクのため)等々、過酷な状況下は全くリハビリはできませんでした。結果的には入院中、4分の1もリハビリは、できていないと思います。ですが、リハビリができる日は嬉しくて、リハビリの後は気持ちがスッキリしました。私は何もしない不安が一番怖かったのだと思います。ただ体を起こして座るだけでも、うがいをするだけでも、精一杯な日もあります。それも、闘病者にとっては、十分なリハビリなのです。体調が良い時は、他の方と比べて少しハードなリハビリを取り入れていたので、汗をかくこともできました。私にとっては、体を動かせることは精神的にポジティブになれる時間でした。勿論、気持ちはリハビリをしたくても、体が無理だという日も多くありました。リハビリの先生方も血液データなどを見ながら、日々探ってくださっていました。様子を見に来てくださって、帰って行かれることもありました。
私は主治医に「楽器を弾くために身体作り、体幹を作り、肩甲骨の稼働をよくすることをトレーニングしたい。手は様子を見ながら、話し合いながら進めたい。」と訴えました。
先ず、理学療法士の先生2人によって、下半身を中心とした体全体を動かすことからです。大きな筋肉や体幹を作っていきます。ずっと体を動かしていなかった後は、寝たままで、足の指から股関節、体全体をほぐす作業をしてくださいます。次に動かす作業に入っていきます。カテーテルなど線が沢山繋がれているため、うつ伏せでのトレーニングはあまりできませんでした。寝たきりの時期には、足首を動かす、足を上げ下ろし、片足を上げた状態から横に倒す。膝を立ててキープし、そのまま尻を持ち上げる。寝たまま足踏み、横向きに寝て足上げ、などをしていました。足は一気に筋肉がなくなり、やせ細っていきます。起き上がってトレーニングできる時には、足踏み、病室内を歩く、両足スクワット、片足スクワット、腿上げ、バランスをとるために、片足立ちをして先生に身体を押されても倒れないようキープする、爪先立ち、バレリーナのように、片足立ちをして足を前後横に広げる。時には点滴棒を支えに抗がん剤や抗生剤を打ちながら、シュールな絵図ですがトレーニングです。笑。かなり状態の良い時には腰をグッと下げて両足ジャンプ!などもしました。ジャンプをした日は嬉しいのと可笑しいのとで、たまらなくなりました。廊下を歩いていい許可が出た日には、ナースステーションの周りを足早で、手をグー・パーと動かしながら朝・夕2セット歩いていました。手を動かしながらは、私のオリジナルメニューです。
これらをしていたお蔭で、一時退院中、本退院後も、階段や歩行で足が筋肉痛になったことは、一度もありませんでした。ですが、残念ながら息切れは体力の衰えや、私の場合は肺や気管支の炎症があったため生じます。息切れと心臓がバクバク音を立てるのは、本退院2カ月後くらいまでは、続いていました。おそらく、両足スクワットまで、頑張ってできれば、筋肉痛にはならないかと思います。多くの患者さんが仰っていたのは、階段で筋肉痛になるとのことでした。私が筋肉痛になったのは、右足脹脛がピアノを弾く時のペダリングによって、筋肉痛になりました。それによって爪先立ちをキープするトレーニングを加えました。結果、次の退院時には脹脛の筋肉痛は生じませんでした。常に退院時にどうだったかを先生方と話し合い、どのような事を補ってトレーニングすべきかを話し合いました。
下半身を中心に見ていくうちに、自分の支えにしている足は左だと認識が持てました。立ち上がる時にも左足で私は踏ん張っています。右足だと最初はフラついていました。勿論、バランスよく身体を使えるように右足だけで立つこともトレーニングに追加されました。確かに、ピアノを弾く時に、私は左足の位置が大切だと思っています。勿論、両足ペダルを操作しますが、体を大きく使う時など、左足と腰の安定でバランスを取っています。下半身をしっかりさせること、体幹があることによって、演奏するときに音が安定します。要は腕のパフォーマンスが良くなるということです。
下半身を中心としたことは大体、上記のトレーニングです。私のトレーニングは少しハードなメニューかとは思います。ゴルファーやバレリーナ、水泳選手が取り組んだメニューが入っています。ややアスリート向け。因みに、私は本来、ストレッチや運動は出来れば避けたいと思う、3日坊主のダメダメな奴です。今回の病気によって、今は身体作りに勤しんでいます。人間、変わるものですね。笑。
次回は上半身を中心にインナーマッスル、肩甲骨、腕、手という取り組んだことを記していきたいと思います。そして、3回に分けてブログをと書いていましたが、全4回になりそうです。4回目に「音楽をすること」を記していきたいと思います。
書き進めるうちに、多くを学ばせていただいたと、つくづく実感しています。先生方には感謝です!
では、後2回続きます!