レコーディングの旅[8]|ノイマルクト、ライツターデル入り
友人達や恩師夫妻の激励を胸に、懐かしのマンハイムを後にしました。DBドイツ鉄道でニュールンベルクへ移動し、チームスタッフの車に便乗して、アウトバーンでオーバー・プファルツ・ノイマルクトへ入ります。
宿泊先は事前リサーチをしていた修道院でも、食事の美味しいホテルでもなく、別荘を借りて過ごしました。昼夜問わず、自由な時間に移動し、食事をとり、それぞれの個室とミーティングのできるリビング。心地よくリラックスすることができるからです。結果、大正解!アシスタントの寺嶋さんが、毎日、驚くほど美味しい数々の手料理で胃袋を満たしてくれて、このセッションを乗り切れたと言っても、過言ではありません!昼食は気候が良い時期だったので、自然豊かなバルコニーでゆったりと。オーブンで焼いたキッシュや、サンドイッチは夕食に会場へ持ち込みます。
その日の夜遅くには、調律師の加藤さんも無事に日本から到着し、チーム皆が揃いました。
翌朝、午前中に楽器がアウグスブルクから到着する予定で、チームは一足先に会場へ。私は一人、宿でのんびりと静かに過ごします。ここから、いよいよ始まるのかと思う、溢れそうな気持ちをグッと抑えるように、一人ソファーで楽譜を見ながら、寛いでいたのをよく覚えています。
しばらくしたら、『ピアノが…』という一報が入りました。
もう着いたのか??と思ったら、大きなトラックにアップライトが積み込まれたという、情報が…。皆で大爆笑だったようです。危うく、アップライトで収録⁈になりそうでした。
その後、私の相棒ベヒシュタイン はアウグスブルクからではなく、ベルリン本社で一旦調整されたものが運ばれてくるとわかり、午後の到着となりました。私も待ちきれず、会場入りすると、小さめのトラックで熊のように大きな男性二人が、見事に楽器を搬入してくださいました。ここで、皆一安心。
全ての要素、楽器、機材、チームスタッフ全員、会場ライツターデルに揃ったわけです。
さあ、いよいよ音が鳴り始めます。
続きは、また今度…
2020.7.1.