ドイツでの滞在②

ドイツに来て2回目のブログ投稿が、滞在残り日数が後2週間というところまで来てしまいました。今日はどんな気持ちで、この2カ月半をドイツで過ごしてきたかを綴っていきたいと思います。

3月1日にベルリンでハウスコンサートを終え、3月14日にケムニッツでの公演を終え、気が付けば3月が終わろうとしています。今月は病後初めて本格的な風邪をひいてしまい、この1カ月は体調を整えるのがとても大変でした。本番には私の得意の気持ちでねじ伏せるように何とかなり、乗り切れたという状態で、演奏会の後には寝込でしまいました。この2つの演奏会のことは、帰国してからの時差投稿となりそうですが、ご了承ください。どちらの演奏会も、様々な方々のバックアップのお蔭で、聴衆の皆様と良き時間を過ごすことができました。一つずつ、後日、丁寧に綴っていきたいと思います。

Heiliger邸にてハウスコンサートinベルリン♪ディルスベルクと同じプログラムを演奏しました。
ケムニッツ・モーツァルト財団主催の公演♪今を生きる同世代邦人3人の作品とモーツァルト異なるプログラムを演奏しました。

残すは一公演。芸術家奨学生として迎え入れて下ったRhein-Neckar-Kreis財団主催による最後の研究発表のリサイタルが4月4日に、此処Dilsberg Kommandantenhausで行われます。チケットは既に完売しており、とても嬉しくワクワクしています。

この2カ月半、「私は何故ここに来たのだろう?」と、その意味を考えながら過ごしています。まだその答えは明確には見つかっていないですし、それはもっと後になって見えてくることなのかなと思っています。ただ、ここで過ごしている時間はかけがえのない時間だということは痛感しています。幸運にも恵まれました。「もう一度、自分の人生をどのように生きていきたいのか?」と問われている時間のように思います。そして、音楽と人々から与えてもらった全てを、自分はどうやって生かせるのか、ずっと考えています。これが私の生涯の課題かもしれません。時間がとても足りない・・・

私のバルコニーからの眺め。いつの間にか、慣れて落ち着きます。今朝は教会の鐘が15分鳴り響いていました・・・

闘病中も沢山考えたけれど、また此処でも沢山考える時間を与えられています。私は人よりとても時間がかかるのだろうけど、こうやって静かにしっかりと向き合う時間がとても必要な人間なんだということがよくわかりました。それらを温かく見守ってくれる家族にも感謝です。

此処は何もなくて、流石にそろそろ退屈でしょ?寂しいでしょ?って皆、聞いてくるけど、私はちっとも寂しくないし、退屈でもありません。笑。多分、頭と心が忙しいから。それに今の時代はとても便利に連絡ができます。とても静かな環境は心地よいのですが、慣れたとはいえど、交通手段が限られて出ていく時間を要します。

敢えて寂しいと言うのならば、入院中と同じように、日本の何気ない料理や家族との日常が少し恋しいということでしょうか。もう少し、こちらでの時間があればな・・・と思います。あとは、もう少し体力があれば、もっともっと動きたいし、こちらの友人達に会いたいし、演奏会も行きたいです。頑張るというより、欲張ってしまいます。

ここには全てを記せないことが沢山あります。友人達と話したり、恩師夫妻と過ごしたり、演奏会を聴いたり、練習したり、演奏したり、生活をしたりする中で、本当に沢山・・・。残す2週間、思う存分にドイツの春と一緒に楽しもうと思います。今日からこちらはサマータイム。植物も生き生きしてきました。来週の金曜日、4月4日の演奏会に向けて体調を万全に整えていきたいと思います。

今年は桜を見れないと思っていたら、Rhein-Neckar-Kreis財団の方々がSchwetzingen城の庭へ花見へ連れて行ってくださいました。城内も見学へ。モーツァルトも幼少期と大人になってここへ訪れています。「桜色は心を柔らかくしてくれるね」と話していっらっしゃり、ドイツ人も同じような感覚を持つのだなと思いました。そんな彼女は桜色のセーターを着ていた。なんだか、皆で笑顔になった午後でした。

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