第25回R.マイスター教授によるピアノ音楽合宿②

オープニングコンサート編に続き、今回は『ピアノ音楽合宿本編』です。

私にとって7日間連続、朝から夜までの仕事というのは、病後初めてで大変なチャレンジでした。受講生もチャレンジ、スタッフ一同も新しい企画でチャレンジ、みんなで大変ではありましたが、そこにいた皆が得た、『充実した7日間』を記していきたいと思います。

大ホールの舞台の上でどのようなコントロールをしているのか、弾き手としてリアルに聴講できます。

マスターコース開始初日は17時で閉館ということもあり、受講生とマイスター先生とスタッフで音楽合宿の宿泊施設「神湯温泉倶楽部」で夕飯を共にしました。初日とあって、皆さん多少の緊張がありましたが学生達は大変元気で、勢いよく話していました。しかし、この合宿は本当に体力がいるのはこれから!!

このくらいの至近距離で通訳スタッフの後ろの席からレッスンを聴講できます。左スタインウエイ、右ベヒシュタイン。この2台を中日に入れ替えて、異なるタイプの楽器を体験しながらの複数回レッスンを受講できます。レッスン前の練習は小ホールで行っています。

大ホールでレッスンは一日中行われていますが、それと並行してイベント企画が毎日あり、多い日は2本、3本とあります。

アウトリーチ企画として「0歳から誰でも聴けるコンサート」は全5回。実際に赤ちゃんも幼児も沢山聴きに来てくれて、魚沼近郊から老若男女の沢山のお客様が毎日、聴きにきてくださいました。何度もいらしてくださった方も何人もいらっしゃいました。お客様がいらっしゃるのか、不安な開催でしたが椅子の追加をするほどでした。会館のアップライトを使用して出演者が一人一人、様々な思いを伝えるトークコンサートです。宿泊施設の神湯温泉倶楽部でもミニコンサートを開催しました。マスターコース受講生は複数回の本番があるのです。

2回目は館内かまくらサロンで。館内広場でも行いました。この日は高校生バンドが会館へ練習にきていたので、立ち寄って手を大きく上げて拍手して楽しんでくれました。
神湯温泉倶楽部では衣装をまとって、演奏してくださいました。学生は2,3回アウトリーチがあります。様々な場所、シチュエーションで演奏することを一つの目的としています。宣伝をもっと頑張りたかった・・・猛反省byスタッフ

「留学のための座談会」ではオープニングコンサートにも出演し、通訳スタッフとして関わってくださっている木下敦子さんを囲んで。彼女は現在、マンハイム音大で管楽器科の伴奏講師として勤めていらっしゃいます。リアルタイムでの音大の事情など、ご本人の経験談を話してくださいました。留学準備に必要なこと、将来のことなど、受講生の保護者の方も参加してくださり、親としての心配事などの質問もありました。また直ぐにでも留学をと考えている人には即効性になったかと思います。時間オーバーの座談会でした。次回も開催予定です。

中央ラベンダー色のセーターの方が木下敦子さん。堅苦しくなく、皆で顔を見ながら様々な話の展開が生まれました。イベント行事は稲岡が司会進行役を務めました。

「指導者の方のためのランチ交流会」では熊本からの受講生や、地元魚沼近郊でピアノ講師をされている方々で議題を決めずに、自己紹介から自然に指導者としての悩みなどを共有しました。皆様、大変ポジティブにどのようにしたら生徒に還元できるかを日々奮闘なさっている様子が素晴らしいと思いました。子供たちの未来に繋がることを期待し、指導者の方々とこれからもセミナーとしても共に関わっていきたいと思っています。

箸休めのようにして、越後魚沼ロータリークラブの皆様が受講生をお弁当ではなく「美味しいランチ」、「お土産ツアー」などを企画してくださいました。束の間の観光気分ですっかり気分転換して笑顔で会館へ戻ってきました。桑原館長の「お茶会」館長のお点前を頂戴する会もありました。受講生に音楽だけではなく、魚沼の良さを知ってもらおうと魚沼観光協会会長、三友実行委員長も提案してくださいました。因みに、宿泊施設の神湯温泉倶楽部では露天風呂もあり、観光気分を味わえます。

神湯温泉倶楽部の朝食はボリューミーで美味しい!!魚沼のお米は最高!!私は、この合宿で2キロ太りました!食べないと体力は持ちません!!

今回の目玉イベントとして「フォルテピアノ、クラヴィコードに触れよう」ということがありました。マイスター先生のレッスンでは時代時代の鍵盤楽器の話題が出てきます。それが、作品にどのように影響を与え、どのようなことを作曲家たちが生んでいったのか。ベヒシュタイン・ジャパン社の協力によって、練習室にフォルテピアノ(デュルケン)とクラヴィコードを設置しました。「受講生達はこれらに必ず事前に触れてもらい、考察しておくように。」とマイスター先生から開催前に宿題を出されました。そして、今回の公開講座(レクチャー)では受講生もマイスター先生も弾きながら、楽器にどのような特徴があるのか、どのような楽器の機能を伴い、発音や音色が生まれているのかという考察をし、机上の話ではなく実践を伴って理解をするという共有の時間となりました。

先生も弾きながら、皆に話しながら、楽器の周りに集まって熱くなっています!
中学生の受講生も一生懸命、課題を取り組んでくれました。皆で共有中。全員、準備した人が代わる代わる弾いて体感しています。

一般の方向けには、加藤社長の楽器解体ショーという名の「フォルテピアノとクラヴィコードとモダンピアノ」のレクチャーがありました。こちらも受講生も聴講生も参加していらっしゃいました。満席。

この2台の楽器を会場に運び入れる企画は簡単なことではなかったですが、皆様のご協力の下、実現することができたのは本当によかったと、皆様の反応を見て思いました。感謝です。

最終日には修了演奏会がありますが、ゲネプロを行いながら受講生の「カウンセリング」も並行させて行っています。スタッフは走り回り、通訳もし、準備もし、楽屋はテンヤワンヤです。カウンセリングは留学についての相談、レッスンでの質問、日頃の取り組みについて、曲についてなどのそれぞれの質問ができるようになっています。時間に収まらず、修了演奏会終了後に宿に戻り、お開きになってから2名のカウンセリングを行いました。本当に先生は労力を惜しまずに、できる限りのことを生徒達に寄り添っていらっしゃいます。

「修了演奏会」は2日前にプログラムが発表され、出演者自身がベヒシュタインとスタインウエイを選定して演奏します。皆さん、一週間の疲れマックスの中、よく演奏されたと思います。

ベヒシュタイン賞には寺町奏音さん。彼女はその後、京都芸大を卒業され、留学準備へ邁進され、この夏の試験でマンハイム音大へ合格することができたと連絡が入りました。これからの飛躍を楽しみにしています。

ロータリークラブ賞には廣畑湧亮さん。東京芸大2年生に在籍され、更なる研鑽を積んでいらっしゃるようです。廣畑さんは熊本ご出身で、今回もう一人、熊本からの参加者おり盛り上がっていました。

修了演奏会後、皆で集合!!中央にマイスター先生は皆からの色紙を手に。先生の左にロータリークラブ賞受賞者、廣畑さん。先生の右にベヒシュタイン賞受賞者、寺町さん。皆、修了証書を持っています。

今回は北は岩手、南は熊本。関西からも沢山、関東からも勿論、三重、新潟、遠方から多くの方々が魚沼に集まってきています。25回も続けてこられたのは、マイスター先生の熱意はもちろんのこと、多くのリピーターの方々、受講生、魚沼市小出郷文化会館スタッフの皆様、魚沼市民の皆様、越後魚沼ロータリークラブの皆様、ベヒシュタイン・ジャパン社、門下生達、携わって来られた全てのスタッフ、そして、この企画の発起人の方々の強い情熱が生んだのだと思います。

こうやって、日によっては皆で仲良く先生もスタッフも一緒にバスで宿へ移動。初日はバスの中で皆にレクチャーの課題についてのミニレクチャーが始まり、初日から洗礼を浴びていたかと思います。

私はこのプロジェクトに深く関わるようになり、12年近くになります。ようやく、覚悟ができるようになってきました。ただ、私は音楽家なので情熱だけしかないかもしれません。皆に有意義な時となるように、これからも努めていきたいと思います。文化芸術に携わる一人の人間として。

マイスター教授、館長、スタッフ、残念ながら、ここに写っていない加藤社長や他のスタッフ一同、皆様の参加を2025年3月も新企画を用意してお待ちしております♡一緒に音楽どっぷり合宿を楽しみましょう!!

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