御礼@18人のピアニストによるモーツァルト
8月28日週の始め月曜日、蒸し暑い中、東京文化会館までご来場くださいまして、ありがとうございました。18人のピアニストでモーツァルトのピアノソナタ全曲演奏でした。
18人のピアニストが集うことも、一日でモーツァルトのピアノソナタを演奏することも聴くことも非常に稀で、ライフワークでモーツァルトに取り組んでいる私が、この機会に出演でき、また他のピアニストの解釈や表現、音色に出会うことができ、非常に有意義な時間を過ごせました。このような全曲シリーズ企画を立ち上げたオフィスアドルフのピアニスト田中あかねさんの熱意と行動力に頭が下がる思いです。そこには並みならぬ努力と困難があったのではないかと思います。それらを次から次へと企画なさる更なる思いに敬服致します。
私自身はFantasy&Sonatasのアルバムに収録しているKV.533/494ヘ長調を演奏しましたが、また新たなる思いで作品と向き合うことができ、本番までに充実した時間を過ごすことができました。次に弾く時にはどうなるのか、この作品は何度も年を重ねながら演奏していきたいです。他のピアニストやお客様にもモーツァルトでは異質な作品ですね、と作品に興味を持たれるコメントは多く、大変嬉しく思いました。あまり聴いたことがないという方も多くいらっしゃいます。作風がシンプルな中に非常に巧みな構想、自分への挑戦というかモーツァルトの中の自分との対峙があるのではないかと思っています。ポリフォニックであり、音のバランスのとり方によって、表情を多彩に変える可能性があり、聴き方一つで全く違う表情が視えるのが怖くもあり、面白くもあります。
ホール入りして直ぐに楽屋で、大ホールでリハ中の新日フィルのヴァイオリニスト田村安紗美に会い、この絶妙な同じ日にというのが、笑えると思いながら写真を。私達の阿吽の仲はミラクルが頻繁に発生します。元気をもらいました、本番も聴いてくれて感謝です。
楽屋では以前からお会いしたいなと思っていた、ベートーヴェン=リストの交響曲に取り組んでいらっしゃる後藤泉さんと知り合えました。
そして、マンハイム留学時代の仲間、佐藤郁帆さんと土橋礼佳さんと同じ楽屋で久しぶりの再会を喜びました。皆、変わらず元気で本当に嬉しかったです!
東京文化会館は私はとても好きなホールです。不思議なことに、このホールでソロを弾く機会はドビュッシー弾くはずがモーツァルトを弾くことになったり、先ずはベートーヴェンだったはずがモーツァルトになったり・・・ということが起きています。そんなことに想いを馳せていると、いつかモーツァルトのリサイタルを東京文化でしたいなという気持ちが自然と生まれました。
ご来場くださり長時間お聴きくださった沢山のお客様、応援くださった皆様、共に全18曲を創り上げたピアニストの皆様、スタインウエイ調律の鈴木峻様、カメラマンの中村義政様、全てのスタッフの皆様、顧問の中野雄様、浅岡弘和様、新田孝様、オフィスアドルフ田中あかね様、心よりありがとうございました。
この夏はコンクール審査の仕事を数回引き受けてみたり、人との再会がグッと増えたり、演奏会にも頻繁に足を運べるようになり、対面のミーティングを増やして、日帰り強行もできるようになり、恩師のオンライン公開レッスン運営があったり、体重が落ちる心配がなくなり、2024年、2025年の話が進み始めたり…と昨年と比べて、かなりレベルアップした夏を過ごせました。お蔭様でこのような日々を送れることを心から幸せだなと実感しています♡
引き続き自身の身体と相談しながら、自分のペースでゆっくりと確実に歩みを進めていきたいと思っています。
皆様の心身共の健康を祈って・・・そして、お会いできる日を楽しみに♡
2023年8月の終わりに
稲岡千架