御礼@あ・ふ【逢ふ】vol.2in汐留ホール
5月7日㈰あ・ふ【逢ふ】vol.2 田村安紗美&稲岡千架 Duo Recitalに悪天候の中、ご来場くださいまして、心より感謝申し上げます。
田村さんとは、近年ではトリオで私の復帰第一戦で演奏していましたが、2015年以来、久しぶりの二人だけのデュオ公演でした。2021年6月に久しぶりの復帰デュオをやろうかと考えていましたが、その頃は私の身体もまだついて行かず、先延ばしになり、ようやくこの日を迎えることができました。こうやって一緒に音楽ができることは、大変幸せなことであります。
この公演では結構なスピードで二人で本番準備を始めたにも関わらず、阿吽の呼吸で進めることができました。演奏会当日は、病人なのは私だったはずが、田村さんが絶不調でオッサン声になるというアクシデントもありましたが、そこは私達の長い歴史の信頼で共に乗り切ることができたと自負しております。
ベートーヴェン第3番、第4番とクライスラーにスポットを当てて、組んだプログラムもお客様には喜んでいただけたようで、良かったです。
ご来場くださったお客様には、前回のvol.1のプログラムをお持ちの方もいらっしゃいました。なんと、有難いことでしょうか。再会や、初めまして、終演後にもいろんな方とお話ができ、嬉しかったです。
そのお客様の中には、最後まで並んでくださり、演奏もニコニコと聴いてくださった男性の方がいらっしゃいました。なんと、その方は私のTwitterをフォローしてくださっていたらしく、私と同じAPL急性前骨髄球性白血病の方でした。私と同時期に入院闘病なさっていた当に同志でした。病気も悪いことばかりではないと思える感動的な瞬間でした。「これからも共に生きていきましょう。」と、強く握手を交わしました。『病気にならなかったら、出会うことがなかった人。繋がることがなかった人。』という方が、私には多くいらっしゃいます。決して、病気はいいことではないけれど、人の温かさに触れる場面は沢山あります。そんな時、私は人の何を見て生きてきていたのだろうか、生きるとはなんだろうか。といつも考えさせられます。
毎回、復帰後の演奏会を終えた後には、いろんな思いを馳せます。会場に足を運んでくださったお客様や、応援してくださる方々や、主治医や医療従事者の方々、恩師、友人や仲間、家族。いろんな人から力をもらって、音楽をすることができているのだなと。
今回はまた、更に体力アップしていることを実感できました。長時間のリハをしても、フルプログラムを弾いても、足の痙攣は起きなかったし、息切れも起きなかった。一日でリカバリーすることができるようになっている。斑点出血も多くない。体重減もなくなった。体感的には、この1カ月は薬がようやく抜けてきている感がある。やはり、主治医が以前に仰った通りになっている。流石、先生!
まだ成長中の感じがあります。また次に進んでいくのみですね。
最後に関係者の皆様、譜めくりや、受付、スタインウエイの調律の高橋さん、汐留ホールさん、ありがとうございました。
安紗美ちゃん、ずっとずっと私の復帰を信じ、ここまで連れてきてくれて、本当にありがとう。そして、また一緒に演奏、音楽を創ろうね。