御礼@渡辺健二先生とカオスな仲間たちvol.2~退任記念門下演奏会~

2022年最後の演奏となった、恩師である渡辺健二先生と門下生のコンサートin東京文化会館。

ご来場くださった皆様、実行委員会の皆様、多彩な門下の皆様、そして健二先生、心よりありがとうございました。

自分が健二先生とカオスな仲間の一人として、素晴らしい東京文化会館で演奏できる喜びも然りでしたが、こんなに多彩で、いろんな生き方をされている個性溢れる門下生の皆様、世代の入り混じった大勢のピアニストの演奏を聴けて、実に面白く、楽しかったです。

健二先生はやっぱり凄かった。先生の演奏は言うまでもありませんが、門下の皆さんが一つずつの作品で実に個性的で、こんなに音楽って、人って豊かなんだよね。って、また教えていただきました。

今までも何度か話してきましたが、私は高校3年生、丁度、年の瀬の時期に、健二先生が

「チカちゃん、ピアノ辞めたら?」

と静かな声で、でもそれは覚悟のある声で言われました。これが、私の音楽家人生の始まりだったと言っても過言ではありません。あれがあったから、今日があります。その時の先生の心情を思うと、何とも申し訳ない気持ちなります。その時は辛くて胸が張り裂けそうだったけれど、本当に私のことを思って仰ってくださった、あの時の重い言葉に感謝しています。健二先生だったから、よかった。

私が長期入院している2020年9月に実行委員会の方から連絡をいただき、先生の退任記念演奏会開催のお話を伺いました。丁度、3回目抗がん剤投与の死闘から抜け出てきた時期で、気持ちが前を向いていた頃でした。おそらく、その1カ月前にメールを読んでいたら、生きられる自信がなくて出演辞退していたかと思います。しばらく考えて、出演希望の返信した記憶があります。自分で「生きる」目標を一つでも見出したかったのではないかと、今となっては思うのです。健二先生や皆さんに迷惑をかけてしまうかもしれないと思いながらも、きっと許してくれるだろうと甘えて返信しました。どうしても、生きたかったからです。未来に希望を持ちたかったのです。そして、開催延期となり、2年が経過し2022年12月27日東京文化会館での開催となったのです。私の身体にとっては延期は有難く、維持療法も終えて、演奏する身体がようやく整ってきました。

総勢38名の出演者、長丁場でした。1台のピアノから様々な響きが溢れていました。開演前の調律。東京文化会館でソロを演奏するのがこれが初めて。やっぱり、このホールで弾けるのは幸せです。来年も楽しみ。

先生が皆に弾いて欲しい一人5分程度のリクエスト曲の中から、私は最初、先生とのレッスンで想い出の受験曲でもあり、その後、大人になっても弾いていたドビュッシーの版画より「パゴダ」を演奏しようかと思っていましたが、他の方が希望されているということで、モーツァルトのファンタジーニ短調を選択しました。今の自分のライフワークとしても取り組んでいるモーツァルトでもあり、入院中にリリースしたアルバム名も「ファンタジー&ソナタ」。今年、先生のリサイタルでも初めてモーツァルト(ロンドイ短調)を取り上げられたということもあり、これもまた、素敵な自然な流れのようにも感じました。来年の8月28日にモーツァルトのピアノソナタを東京文化で演奏する予定があるので、今の私に丁度よかったのかなとも思います。

出演者のメッセージ、プログラムノートを読んでいても楽しかった

たった5分程度の演奏。いろんな方の演奏を聴き、いろんな人生があるのを感じ、皆、様々な葛藤や苦難、喜びや幸福もありながらも、自然になるように導かれているようにも思いました。思うようになることもならないこともあるけれど、あるがまま、全てを受け入れて、自分の人生を楽しんで生きたいなと思いました。

やはり、音楽や人々から私は大きなエネルギーをいただいているなと改めて感じました。それらを持って、また何かを伝えていくことができれば、こんなに嬉しいことはないなと思います。

演奏を終えて、楽屋へ戻るエレベーター内でパシャリ。先生や皆さんと写真を撮りたかったけど、みんな演奏を聴いて、弾いて、最後もドタバタで退館時間で、私は打ち上げには体調管理のため参加せず…号泣。こんな写真しかないや~ん!しかも、マスク~!イケてないわ。。。唯一の記念。カオスです。

このブログで今年最後にしようかと思いましたが、もう1本、総括ブログを年内にしたいと思っています。なので、年内最後の挨拶は次回へ。

今日は健二先生とカオスな仲間達の大切な時間を綴りました。

実行委員の皆様、本当に大変だったと思います。ありがとうございました。

偉大なる健二先生、素敵な日をありがとうございました。まだまだ音楽を続けていきます。

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