御礼@河野泰幸クラリネットリサイタルin札幌
9月24日㈯河野泰幸クラリネットリサイタルin札幌六花亭ふきのとうホールにご来場くださいまして、ありがとうございました。また、とてもよくしてくださった関係者の皆様、調律師の方、札幌大谷大学の先生方、学生さん達、皆さん本当に温かく声をかけてくださり、感謝しております。最初から最後まで、聴衆の皆様から盛大な拍手が鳴り響き、河野さんも私も紅潮しながら演奏をすることができました。
今日は長文ですが、様々な方に読んでいただけると幸いです。闘病中の方や、そのご家族やご友人にも…。
使用楽器のベーゼンドルファー、ホールの響きの情報を事前に友人ピアニストや、大谷大のピアニストの先生からいただき、当日への調整も図ることができ、アンサンブルとしての響きを聴くポイント、立ち位置など様々な工夫を二人で試みることができました。これも、長い付き合いだからこそできる、信頼があってこそのポジションだったと思います。自分たちの感覚をできるだけ覚醒させたいと挑みました。ヴァイオリニストが立つような位置で、私の背後右側。舞台の下手側に河野さんが立ち、よりお互いに音に集中できました。特にベルクを演奏する時には、効果的でした。
この演奏会は河野くんが札幌大谷大学に赴任して8年、札幌では初リサイタルという重要で大切な機会に、私が一緒に演奏するということになりました。私が2020年に病床で過ごす時に、何度も「千架ちゃん、一緒に弾くで!何がええかな?ブラームスがええな。どんな曲弾きたい?」とやり取りしていました。その頃は、彼も私も、それを実現化できると信じ、切望するように、言い聞かせるように話していました。私には「死ぬなよ。生きろ。」というメッセージに聴こえました。今、これを記しながらも、涙が込み上げてきます。病床で涙を流しながら、ブラームスのクラリネットソナタ第1番第2楽章が頭に流れた日々を今も記憶しています。現実になったんだ。。。
今回の公演に向けては、2020年の病床期から退院し、2021年から開始した維持療法の合間を狙って、私の身体の様子を見ながら、河野くんは計画を立ててくれました。本当に彼の周りには沢山の素晴らしいピアニスト達がいらっしゃいます。このブラームス2曲でドイツ物プログラムなら、あの方もあの方も・・・と簡単に頭を過りました。ですが、そんな彼の想いに私も精一杯応えたいと思って、甘えて挑みました。
今回は病後初めての地方公演で、私にとって、またしても挑戦でした。病気になってからは勇気と挑戦と気力で、何とかここまで来ているように思います。笑。そして、ブラームスの深い音色を出す身体を作るのにギリギリ??何とか……でした。6月のソロ・リサイタル頃から、ピアノから跳ね返されない身体の重心をしっかりと保つことができるようになった段階です。友人クラリネッティストには練習に付き合ってもらい、恩師にもアドヴァイスをもらい。更に、音楽家にとっては荷物を持っての移動は極々当たり前のことです。病後初の飛行機移動+リハーサルを早めに6月に挑みました。この時は安全策で前日入りし、翌日にリハーサル。本来ならば、離れている場合は特に本番前にザッと一気にやるというのが通常。この6月で自信が生まれ、9月上旬に河野くんが上京しリハ。そして、本番二日前入り、到着後直ぐにリハを夜に開始という体力まで、持っていきました。
こうやって、彼や周りの人々が私の手を引っ張って、背中を押してくれているお蔭で、私は勇気を持って、足を前に進めることができています。気の弱い私は、一人ではやはり、とてもじゃないけど、ここまで来れなかった。
そんなことを思いながら、沢山の人々への感謝の気持ちが演奏中もグワーッと溢れてきました。冷静でいなくては演奏できないのに。まだまだだな、自分は・・・と思いながら。
今回は本番の度に体重減すること、体力が落ちることを避けるために、頑張って食事を摂り、筋肉痙攣、出血を抑えるためにマッサージやストレッチを行いました。毛細血管が切れるのは、やはり仕方がないですが、お蔭様で何とか体重もほぼ維持できました。成長期真っただ中です。
まだまだ思うように行かない、課題だらけですが、伸びしろがあるんだと思って、励んでいきたいと思います。皆に恥じないように!
10月中旬から最後の維持療法、薬服用が始まります。あと少しです。ここまで来ました。本当に皆様のお蔭です。この場をお借りして、重ね重ね感謝申し上げます。
ヤスちゃん、言葉より深く愛あるエールをありがとう。一緒に音楽ができる喜びを、また与えてくれて、本当にありがとう。共に、音楽していきましょう。そして、また一緒に弾こう♫