マイスター教授のセミナーを終えて

3年ぶりに、第24回目ルドルフ・マイスター教授によるピアノ音楽合宿が8月23日~28日、魚沼市小出郷文化会館で開催されました。2021年にはオンラインレッスンを開催し、今回の現地開催へと希望を繋いできました。勿論、準備の段階から様々な困難もありましたが、いざ講習会が始まってしまえば、一気に進みます。

レッスンでのやり取りは楽しいですね。通訳はなかなか大変ですが。初日は一人で頑張りました!体力がついてきてくれてホッとしました。
マイスター先生を囲んで、事務局の井口さん、通訳の土屋さん、森山さん+Babyちゃん♡

YouTube配信など新しい試みもしました。アーカイブ配信を限定公開し、無料配信を引き続き行っております。rm.uonuma@gmail.com 担当:井口までメール申し込みをすれば、URLが送られてきます。ご興味のある方は今からでもレッスンの様子をご笑覧ください。

毎回、この講習会は改善と挑戦をしながらの発展しています。ホールと楽器がなくてはならない音楽創り、文化会館の存在意義を非常に今回は痛感しました。文化会館とは本来、クリエイトするための場所なんだと。次回は2024年3月に25回目の節目を迎えます。RM実行委員会を中心に、魚沼市小出郷文化会館とベヒシュタイン・ジャパン社、越後魚沼ロータリークラブと地元の方々と創っていきたいと思っています。受講生の皆さんが、ここでしか得られない充実した時間を過ごしてほしいと願っています。

修了演奏会後にマイスター教授とマスターコースA/Bの受講生と、ベヒシュタイン・ジャパン社加藤社長と越後魚沼ロータリークラブの方々

と、ここまでは、運営サイドとしての感想。ここからは、稲岡個人としての時間。

マイスター先生とは、この開催に向けて頻繁に連絡を取っていましたが、闘病当初から連絡をとっていました。久しぶりのリアル再会とあって、彼の来日前からワクワクしていました。東京で再会し、言葉にならない安堵と喜びを分かち合いながら、いつも通りにハグしました。病後初の新幹線移動は、まさかの先生とになるとは…彼も「気分はどう?第二の人生だね。」と。「本当にそうなんです。全てが新鮮で・・・」という会話をしながら、「私のピアノを聴いてくれないか?」と打診すると、喜んでと一つ返事。セミナー初日の夜にその時は訪れ、自分の音色の深さの不足を感じている作品を弾いて相談した。いつも通りにプロフェッショナルとしての音のクオリティは容赦なく切り込んでくれ、狙った音を出す。それは、当たり前。そう、本当に私が苦しんでいることはそのこと自体なのではなく、根本的な精神面のことに繋がる。ピアニストとして復帰していくのに、全身全霊で取り組まないと演奏できない自分がいた。ようやく最近、ピアノから跳ね返されるパワーが強くて、しがみつくようにしてピアノを弾いていたことから、全身を安定させて弾けるようにというところまで、何とか辿り着きつつある。「できない」という現実を一つずつ払拭するしかない。それは自分を信じるしかない。わかってはいるけれど、自信がなく、誰も言ってくれないこと、厳しい自分の現実を先生に言ってほしいと思っていた。全てを話して、涙が溢れてきて、彼もいろんな話をしてくれて、「君の音楽は以前より豊かだ」と言って、抱きしめてくれた。「大丈夫だ」と。先生も目に涙が。私は彼の言葉を信じてみようと思う。

その日の夜は涙が止まらなかった。朝起きても、涙が出てきた。笑。泣き過ぎな私だったけど、心は軽くなった。自分と自分の周りにいる大切な人達を信じて、生きるだけ。明日も音楽をしよう。

東京での再会!

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