病気宣告から2年

今日は急性前骨髄球性白血病(APL)の宣告を受け、緊急入院から丁度2年になりました。

お蔭様で、順調に維持療法も現在6クール目の終盤。年内には維持療法も終えることができるでしょう。その先、完治まで、まだ数年かかりますが、このように大きく前進できていることに、有難い気持ちでいっぱいです。

と、同時に、今感じていること、今だから言えることを記しておこうと思います。

一患者として、寛解維持中、維持療法を進める中での私の心の動きを記そうと思います。長文です。お時間許せば、ご笑覧ください。最後に、お願いもあります。お付き合いください。

私のSNSで繋がりのある闘病仲間達や、同室で入院していた仲間が、とても複雑な心境の中、前を向いて進もうとしている姿を多く見ます。そして、私は、彼らからも沢山の勇気と力をもらっています。私は音楽家なので、ある意味、オープンにできる部分や、自分のペースで仕事も進めていける立場にあるわけです。ですが、会社に勤務される方、家族を抱えている方、子育て中の方、学生など、それぞれに社会と関わりを持つ中で、融通が利かないことや、葛藤が多々あるように感じます。社会復帰のタイミングや、再発そのもの、移植、また再発に対する不安なども抱えています。かく言う私も『不安がない』と言えば、嘘になります。毎回、通院で採血結果を聞いて、骨髄検査結果を聞いて、『ホッとする』自分が明らかにいます。

高リスク患者で入院した私は、入院期間中、ずっと隔離されたクリーンルームの住人でした。当時の私は、今のように生活ができていることを切望していましたが、あまりに過酷な治療のため、現実として想像しにくいものでした。ですが、極力、私に未来を見せるように周りの人々が、引き上げてくれることによって、病後の希望をしっかり持つことができたというのは、私の治療に大きな支えとなったのは確かです。ネット情報として、APL患者は死亡率も低く、治療手段もかなり発達していると言われていましたが、現実はそう簡単なものではありませんでした。確かに、「白血病」「血液の病気」といっても、沢山の種類があり、通院だけでの治療を行えるものもあれば、再発率の高いものもあったりと、一概にどうとは、言えないということを知りました。そして、全く同じ病気でも個体差があるということも。絶対的患者数がただでさえ、少ない白血病患者。さらに、同じ病名の方は少なくなり、病状や副作用のデータも多くはありません。現在服用している薬も特殊であるため、都心の大学病院であるにも関わらず、在庫がないことも多々あります。私は大学病院に通院しているので、私のデータも将来の患者さんのために役に立てることがあるやもしれません。きっと、今、自分が生きているのも、そういった先人達の苦しみと、医療の発展によって、成り立っているものだと思っています。ですから、私に起きている細かい副作用などは、いつも細かく主治医に伝えるようにしています。時に、「初めて聞く症状ですね。」と仰ることもあります。

自分の身体は自分自身も実験中です。入院中も私は予想していない症状も起きましたし、維持療法の薬も、体力の回復具合も予想通りにはいかないことが多々あります。私は、職業柄、手・腕・体・足・筋肉・体力、というところが要です。それは今現在も自分で実験&分析中であります。

沢山、記したいことがあるのですが、あまりに長くなりそうです。

私と同じ病気の方、いろんな病気を抱えている方、闘っている方、回復中の方、ご家族、ご友人…いろんな人の思いがあると思います。そして、現在、病気を宣告されて治療開始したばかりの方は、ネットで検索される方も多くいらっしゃると思います。病と向き合って頑張っている方達に何を言えるわけではありませんが、過酷な治療であることは間違いありません。ただ、ここにこうやって、2年経過して生きている人間もいるということが、励みになってもらえればと思います。皆が皆、生き抜けるとは正直言えません。私の闘病仲間も亡くなっています。でも、彼らも一生懸命向き合っていたのは、確かです。だから、生きたいと強く強く信じて前を向けていれば、何かが変わると信じてほしいと思います。肉体だけではなく、精神的にも過酷だからです。

私が同室で一緒に闘病していた仲間が、明日から移植になります。私は沢山の方からの血によって生かされました。血を止めるための「血小板」、ヘモグロビンや酸素を送る「赤血球」2種類の輸血です。私は現在のところ、再発もなく骨髄移植も臍帯血移植もしていません。姉は20年ほど前に骨髄ドナー登録をしたようですが、一度もまだ声がかかったことがないようです。それほど、ヒット率は低いわけです。丁度私が入院中、知人がドナー提供者に選ばれて移植のため、入院した方もいらっしゃいました。多くの友人・知人も献血に行ってくださいました。ありがとうございます。私は献血も骨髄ドナー登録もできませんが、このブログを読んでくださった方の中で、健康な血液をお持ちの方、また骨髄ドナー登録や臍帯血ドナー登録(出産時に赤ちゃんと繋がるヘソの緒の血液)に一人でも多くの方に、ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、大変有難いです。

皆様が健やかに笑顔で日々を過ごせますことを、心から祈っています。

そして、これからも生きる努力をしていきたいと思います。

感謝の気持ちを込めて♡ 2022.04.20.

献血について|日本赤十字社 (jrc.or.jp)

日本骨髄バンク (jmdp.or.jp)

さい帯血バンクについて|造血幹細胞移植情報サービス|日本赤十字社 (jrc.or.jp)

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