レコーディングの旅[4]|吹雪の中の修道院inノイマルクト

会場の下見を終えた我々は別れて、小坂氏は近隣国へ、私は今夜の宿泊先のノイマルクトにあるグロステア・セントジョセフ修道院へ。レコーディング中に心地よく過ごすための宿泊やレストランのリサーチをするためです。数日前に前入りしていた小坂氏は、会場近くで食事の美味しそうなレストラン付きのホテルへリサーチ済み。

さて、一人での行動開始。雪が降り始めたので、駅でタクシーを拾おうとしたら、一台もない…電話をしたら、1時間待てと…。よし、2キロ弱なら歩けるかも…!とチャレンジ。
歩き始めると、雪がしっかり降り始めた。スーツケースが雪かきの効果となって、雪を引きずり重くなる。500メートルほど進んで、雪が落ち着くのを待つために、少し早い夕飯をとろうと、ザ・ドイツ!という感じのレストランへ。小さな街の冬のレストランは地元の方ばかり。席に座り、メニューを見ていると、小さな子供が興味深そうに私を見ています。きっと彼は初めてアジア人を見たのではないでしょうか。
私が注文をドイツ語で話し始めたら、
「ドイツ語、話すの?」と尋ねてきました。
大人達は失礼!と言いながら、楽しく話をした。ケーゼ・シュペッツェレ(ドイツのチーズパスタ)を頼んだ。量は多くて食べきれなかったけど、冷えた身体を温めてくれて、美味しかった。よし!頑張ろう!と店を出ようとしたら、さっきの子供が、よい旅を!と手を振ってくれた。

さ、いざ、進め‼︎吹雪、吹雪、吹雪。。。
進んでも進んでも、辿り着かず、半泣きに。
ようやく何とか着いて、重いドアを開けたら、シスターが、「大丈夫?駅からこの雪の中を歩いたの?!」と迎え入れてくれた。
その日は、グッタリ。

翌日も猛吹雪。仕方なく、少し疲れた身体を休めるべく、また、いろんな予定や作戦を立てるべく、その日は修道院から一歩も出ずに、静かに過ごした。本当はノイマルクトの街のリサーチをする予定だったが、私には街へ出る勇気はなかった。
ただ、思いがけず、鐘の音を聴きながら、とても静かな一日を過ごす事ができた。
やっぱり、この街、気に入った。
これもまた、旅の良さ。

続きは、また今度…

2020.5.30.

CDの特典購入は本日までとなっております。

シェアする